Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

転借権の対抗力 

転借権の対抗力について考えています。
(自分用のメモです。自己責任でごらん下さい。)

1.建物登記ある場合借地借家10条)

(1)原借地人の建物の登記ある場合
 ① 転借人の建物登記なくとも第三者に対抗可。(昭和39年11月20日最二小判
 ② 原賃借建物所有のための部分と認められない部分の転借には認められない。
(2)転借人の建物登記のみある場合
 ① 最高裁判例なし。下級審には対抗力を認めるものあり。
   (昭和46年10月30日東京地判ほか。但し、反対もあり。下記参考1)
 ② 認められる場合の問題点
   ⇒原借地権、転借地権の2層とも対抗できると言う意味か?(下記参考2)
   ⇒転借地権のみ対抗力を持つと言う意味か?

2.建物登記はないが原借地権の登記がある場合

(1)原借地権が賃貸借であり登記ある場合
 ① 転貸可能の旨の登記ある場合
   ⇒転貸の登記等なく第三者対抗可。(地上権と同じような扱いとなる。)
 ② 転貸可能の旨の登記がない場合
   ⇒第三者に対抗するためには転貸の登記必要。(地主の同意書)(民法612)
(2)原借地権が地上権であり登記ある場合
   ⇒転貸の登記なく対抗可。(当然、転貸可能であるから)

(以上、「借地の法律相談」(有斐閣)などから)

参考
1.借地権の対抗力: 踊れる弁護士さわさわのブログ
2.相続とか、遺言とか、不動産経営とか、中小企業とか : 転借地権の第三者対抗要件
(上記の1(2)②について、原借地権にも対抗力を認めることは、一般的な借地権対抗の問題では、判例が、借地借家法10条による対抗力は、建物について借地権者自身の登記名義であることを求めてきていると言う流れとの関係で違和感があるとしている。)