最高裁:使用開始前の賃料増減請求

平成12(受)123 建物賃料改定請求事件
平成15年10月21日 最三小判
裁判要旨抜き書き

 〜建物の使用収益の開始前に,借地借家法32条1項に基づいて賃料の額の増減を求めることはできない。

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(抽出・加工あり。原文参照)

〜被上告人から,上告人が被上告人の預託した敷金を建築資金として転貸事業用ビルを建築〜被上告人が〜賃借して転貸事業を行う旨の提案〜
(3)〜平成3年7月〜次の約定で〜契約〜
〜上告人は〜建物を建築〜被上告人に〜一括〜賃貸〜,被上告人は〜賃借し〜転貸して運用〜
〜賃料は,引渡時点〜年額18億円〜〜2年を経過〜ごとに〜8%〜値上げをする〜
〜被上告人は,上告人に〜総額234億円を敷金として預託する。〜
〜契約が終了したときは,上告人は,被上告人から転貸人の地位を引き継ぐ〜

(5) 被上告人は,平成7年2月〜年額10億円に減額〜意思表示〜
(6) 〜建物は,平成7年2月〜完成〜被上告人に〜引き渡した。
(7) 被上告人は,平成8年7月〜8月1日以降年額7億〜円に減額〜意思表示〜

最高裁

(1)〜本件契約〜建物の賃貸借契約であることが明らか〜借地借家法〜32条〜適用される〜
〜自動増額特約が存するが〜32条1項〜は,強行法規〜(昭和28年(オ)861同31年05月15日三小判〜昭和54年(オ)593同56年04月20日二小判〜)

〜収支予測の下に建築資金として〜敷金の預託を受けて〜建築する〜サブリース契約〜
被上告人の転貸事業の一部を構成〜賃料額〜賃料自動増額特約等に係る約定は〜多額の資本を投下する前提となったもの〜契約における重要な要素〜
〜これらの事情は〜賃料額を決定〜の重要な要素となった事情〜〜賃料減額請求の当否〜相当賃料額を判断する場合〜重要な事情として十分に考慮されるべき〜

(2)〜32条1項〜賃料増減額請求権は,賃貸借契約に基づく建物の使用収益が開始〜後〜同項所定の経済事情の変動等により,又は近傍同種の建物の賃料の額に比較して不相当となったときに,将来に向かって〜増減を求めるもの〜
賃貸借契約の当事者は,契約に基づく使用収益の開始前に,上記規定に基づいて当初賃料の額の増減を求めることはできない〜

研修:「借地借家法」(山内鉄夫先生)で引用されていましたので読んでみました。
研修:「借地借家法」・引用判例等