Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

★所有者の所在の把握が難しい土地、探索等のガイドライン

一昨日の所有者不明地問題の相談窓口について、

「所有者の所在の把握が難しい土地に関する探索・利活用のためのガイドライン国交省)が出されました。
概要(分かりやすい全体目次付)
ガイドライン第1版全文(全267ページ)
個別ダウンロード
上記概要から(以下抽出・加工あり。原文参照)

①所有者探索の基本〜登記〜住民票〜戸籍〜⇒第1章 〜(探索の〜フローチャート〜)
②〜探索を尽くしても〜判明しなかった場合〜の制度〜活用⇒第2章 個別制度〜〈下記〉
③①〜②〜を基本としつつ〜探索〜解決方法〜⇒第3章、第4章
⑤費用、補助〜相談窓口等〜円滑な探索や制度活用のための基礎的情報〜⇒第6章
⑥〜市〜の対策の整理⇒第7章 〜死亡届時の〜案内、〜相続登記〜普及啓発、所有者情報の〜活用〜)
★解決事例について、豊富に掲載(事例集)

目次から(特に、司法書士業務と関連が深いと思われる部分のみ抽出)

第1章 一般的な所有者情報の調査方法
1-1 登記情報の確認
1-2 住民票〜戸籍の附票〜の取得
1-3 戸籍の取得

第2章 個別制度の詳細
2-1 不在者財産管理制度
2-2 相続財産管理制度
2-3 失踪宣告制度
2-4 訴訟等
2-5 土地収用法〜不明裁決制度
2-6 認可地縁団体〜不動産〜登記の特例

第3章 土地の状況別の所有者情報調査の方法と土地所有者が把握できなかった場合の解決方法
3-1 〜時効取得〜できる土地
3-2 相続〜登記〜が一代〜数代〜されていない土地
3-3 〜名義人〜相続人が外国〜在住〜
3-4 解散〜法人が〜名義人等〜
3-5 町内会〜部落会が〜名義人等〜
3-6 記名共有地
3-7 共有惣代地
3-8 字持地
3-9 表題部のみ登記〜土地
3-10 未登記の土地

第4章 事業別の所有者情報の調査方法と土地所有者が把握できなかった場合の解決方法
4-5 地籍調査
4-6 地縁団体が行う共有財産管理

第6章 所有者の探索や制度活用に係る費用と相談窓口等について
6-1 専門家に依頼できる業務内容について
6-2 費用について
6-3 補助制度について
6-4 相談窓口について

第7章 所有者の所在の把握が難しい土地を増加させないための取組
7-1 相続登記と所有者届出の促進
7-2 情報の共有
7-3 地籍調査結果の登記への反映等
7-4 所有者届出制度の概要(参考)

とても懇切丁寧で分かりやすく、財産管理人選任申立書式までついていると言う充実したもので、驚きました。今後、少しずつ読んでいきたいと思います。

先日、取り上げた相続調査の司法書士委託もこの延長でしょうが、この内容を流し見ると、
上から下まで、まさに我々の分野のかかわりが非常に強いものが多いとあらためて感じます。

特に、第2章あたりは重要と思われ、
私の事務所も、財産管理業務(後見、後見監督、任意後見、不在者財産管理人、相続財産管理人、遺言執行、遺産承継など)は多く、常に10数件以上は受任中ですが、

これらの業務の内、裁判所選任のものの多くは、「当然ながら」の「財産調査」を含んだ業務であり、事実上はともかく、制度上は、会社の清算人のような「スポット選任」が認められておらず、当面、問題となっている財産だけでなく、すべての財産を調査し管理処分しなければならない構造となっていることが要注意と思います。

従って、単に「財産管理」と言う言葉ではくくれない内容となることが多く、県外預金の調査をしたり、関係者との難しい調整をしたり、災害などの緊急のトラブルに対応したりとか、想定外の事態への対応を迫られることも少なくなく、また、権利保全のために行うべき法律対応や事実対応もいろいろで、

急遽、時効中断のための内容証明郵便を送ったり、訴訟対応したり、夜中に建物を見回ったり、大掃除したり、屋根修理とか漏水工事とかシロアリ対応をしたり・・・・・

「ヒヤヒヤ」、「ドキドキ」とか、なかなか寝つけないようなこともあって、受けたことを後悔したことも少なからずあります。

こうした業務は、管理業務についての経験値とか社会経験とかの持つ意味が大きい業務と思われ(と言うと格好が良いですが、要は失敗経験とか、失敗してもなんとか運良く助かった経験とか)、責任も重く、決して楽な業務ではありませんが、これも司法書士の社会的役割と思って、みんなで頑張らなくてはいけませんね。

★「所有者不明地・入会等」関係・索引