Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:迷惑行為禁止特約による無催告解除

昭和49(オ)904 家屋明渡請求
昭和50年02月20日 最一小判
裁判要旨抜き書き

 〜ショッピングセンターの正常な運営維持のため賃貸契約に特約を付し〜粗暴な言動〜濫りに〜抗争〜煽動して〜秩序を棄したりすること等を禁止している場合〜判示〜事情があるときは〜信頼関係は破壊〜無催告で解除〜できる。

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(抽出・加工あり。原文参照)

1 被上告人は〜所有〜建物を区分して〜〜シヨツピングセンターとしていた〜特約〜次の〜いずれか〜あるときは〜無催告〜解除〜できる。
(1) 粗暴な言動〜濫りに他人と抗争〜。
(2) 策略を用い〜他人を煽動〜シヨツピングセンターの秩序を紊し〜運営を阻害〜等不穏の言動〜と認められたとき。
(3) 多数共謀〜賃貸人に対して強談威迫をしたとき。

2 上告人〜次の〜行為があつた。
(1)〜E青物店が〜表側に場所を変えた〜被上告人代表者Bに対し〜奥の場所に移すことを求め〜要求が容れられないとなると〜「若い者を来させる。どんな目にあうかわからん。」〜、〜E青物店の前にはみ出して自己の商品を並べた〜、〜注意をしたが、改めなかつた。
(2)〜隣のF果物店と同じく果物の販売を始めた〜F果物店から〜苦情〜やめるよう申し入れたが〜応じなかつた。
(3)〜E青物店の前にはみ出して〜商品を並べたのでBが〜注意〜従業員らとともに、Bに殴るなどの暴行〜頭部顔面項部挫傷、〜打撲傷、歯破損、口内裂傷、眼球〜出血等〜傷害〜罰金刑〜。
(4)〜ごみ処理が悪かつたり〜センターの定休日にルールを無視して〜営業したり〜センターの正常な運営を阻害〜。

1〜本件賃貸借は〜センターを構成する商店〜を営業するため〜センター用の〜建物の一区分についてされるものである〜契約に関して〜右のような行為を禁止することは、多数の店舗賃借人によつて共同〜センターを運営、維持して行くために必要不可欠〜、〜禁止事項も通常の賃借人であれば容易にこれを遵守できるもの〜、賃借人に不当に重い負担を課したり〜賃借権の行使を制限するものでもない。
したがつて〜特約〜〜は合理的な理由があり〜借家法6条により無効と〜できない

〜右特約違反が解除理由となるのは〜特約に違反〜によつて賃貸借契約の基礎となる〜信頼関係が破壊されるから〜。
そうすると〜特約違反〜解除できるのは〜違反し、そのため〜信頼関係が破壊されるにいたつたときに限る〜
〜その解除にあたつてはすでに信頼関係が破壊されているので、催告を要しない
〜(〜昭和39年(オ)1450同41年04月21日判決〜45年(オ)942同47年11月16日判決〜)。

上告人はシヨツピングセンター内で、他の賃借人に迷惑をかける商売方法をとつて他の賃借人と争い、そのため、賃貸人である被上告人が他の賃借人から苦情を言われて困却し、被上告人代表者がそのことにつき上告人に注意しても、上告人はかえつて〜暴言を吐き、あるいは〜暴行を加える有様〜、〜共同店舗賃借人に要請される最少限度のルールや商業道徳を無視するもの〜シヨツピングセンターの正常な運営を阻害し、賃貸人に著しい損害を加えるにいたるもの〜。
したがつて〜単に〜特約に違反〜のみではなく、そのため〜賃貸借契約についての〜信頼関係は破壊〜にいたつた〜。

〜前記のような行為を理由に〜無催告解除を認めた原審〜正当〜。

研修:「借地借家法」(山内鉄夫先生)で引用されていましたので読んでみました。
研修:「借地借家法」・引用判例等