Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

東京高裁:区分所有法による換価競売と無剰余

平成15(ラ)1613 不動産競売手続取消決定に対する執行抗告事件
平成16年5月20日 東京高決
要旨抜き書き

〜建物の区分所有〜法〜の趣旨〜59条〜競売〜は、民執63条1項〜剰余〜見込み〜ない場合〜も、競売〜を実施〜でき、その場合も〜59条1項(〜消除主義)が適用〜。

(以下、抽出・加工あり。原文参照)

(1)民執63条〜は〜余剰がなく〜、〜競売によって配当〜できないにもかかわらず、無益な競売〜、あるいは差押債権者〜に優先〜債権の債権者がその意に反した時期に〜回収を強要される〜ような不当な結果を避け、ひいては執行裁判所をして無意味な競売手続から解放させる趣旨のもの〜(〜昭和43年07月09日三小判〜(〜)。

(2)〜区分所有法59条1項〜競売請求は〜同法6条1項〜違反して建物の保存に有害な行為〜他〜管理〜使用に〜共同の利益に反する行為をした場合等に〜他の方法によっては〜障害を除去して〜共同生活の維持を図ることが困難であるとき〜当該〜区分所有権を剥奪〜できるものとし〜具体的な手段として認められたもの〜

〜規定の趣旨〜区分所有権を剥奪〜を目的〜、〜配当を全く予定していない〜そもそも、配当を受けるべき差押債権者が存在せず〜余剰を生ずるかどうかを問題とする余地はない〜

〜一方〜同条が〜剥奪するための厳格な要件を定め〜そのような〜要件を満たすものとして〜確定判決が存在する以上〜目的〜実現〜必要性がある〜

〜最低売却価額で執行費用のうち共益費用〜+担保権者等の優先債権〜(もっとも〜上記のとおり、そもそも〜優先関係が問題とならない。)を弁済して剰余〜見込みがない場合〜であっても、区分所有法59条〜競売をもって無益ないし無意味なものということはできない(もっとも〜手続費用を賄うことすらできない場合には〜不足分は〜申立人〜負担すべき〜)。

〜民執63条〜の趣旨を踏まえても、なお、〜区分所有法59条〜の趣旨にかんがみ〜剰余〜見込みがない場合であっても、競売手続を実施することができ、その場合も、競売手続の円滑な実施+その後の売却不動産〜をめぐる権利関係の簡明化ないし安定化、ひいては買受人の地位の安定化の観点から、同法59条1項(いわゆる消除主義)が適用〜、〜担保権が〜消滅〜。

(3)〜区分所有法59条〜競売においては、建物(区分所有権)の最低売却価額で手続費用を弁済することすらできないと認められる場合でない限り、売却を実施したとしても〜民執63条の〜趣旨〜に反するものではなく、むしろ売却を実施する必要性がある〜、同条は適用されない(換言すれば、手続費用との関係でのみ同条が適用される)

 〜民執195条は、民法、商法〜他〜による換価〜競売については、担保権の実行〜競売の例による旨規定〜区分所有法59条〜競売についても、民執188条、63条が〜適用されるようにも読めるが、上記換価〜競売には種々のものがあるにもかかわらず、その一つ一つについて民事執行法が個別の規定を置かず〜195条において担保権の実行〜競売の例による旨だけを規定していることからすれば、むしろ、〜換価〜競売については担保権の実行〜競売に関する個々の規定の適用関係について、その趣旨や性質に応じた合理的な解釈を許容しているものとみることができる〜

研修:「借地借家法」(山内鉄夫先生)で引用されていましたので読んでみました。
研修:「借地借家法」・引用判例等