Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

「財産区」3・現状

続けて、「財産区」です。日経の特集を発見しました。(以下抽出・加工あり。原文参照)

豊富な財源、格差を助長 歴史の遺物「財産区」(1):日経

〜全国には今なお約4000の財産区保有する土地〜1万8800平方キロメートルと四国を上回る。とりわけ大阪府兵庫県に多く、近畿2府4県で1500超と4割近く〜
財産区の多くは明治と昭和の2度の市町村大合併で誕生〜。
明治22年〜市制・町村制施行に先立ち、国は江戸時代以来の入会地を次々と国有地や公有地として召し上げた。〜住民が反発。市町村合併が進まなかったため、財産区制度を設けて自主管理の道を開いた。

 戦後〜旧町村の公有地を合併時の協議で財産区に移すことを認めた〜。
〜数が159と全国で岡山市に次いで多い神戸市の魚崎財産区はこの代表。1950年に神戸市と合併した魚崎町(現東灘区)の保有資産を引き継ぎ、圧倒的な経済力〜
 約200カ所ある貸付地の賃料や17億円ある基金の利息で、収入は年7000万〜1億円〜
〜予算の配分先を決めるのは選挙で選ばれた財産区議会。〜
〜小中学校や婦人会、消防団には毎年数十万〜100万円をそれぞれ助成。〜小中学校や保育園は2014年度、周辺地域に先駆けて防犯カメラを複数台設置〜かつては〜消防車を寄付し〜だんじりの修繕費も負担〜。
〜3つの会館を持ち〜

〜神戸市にはほかにも基金を10億円以上持つ財産区が4つ〜
地方自治法は「財産区は(中略)市町村の一体性をそこなわないように努めなければならない」と規定するが、裕福な財産区は地域住民にだけ恩恵をもたらし、格差を拡大〜。

入会地との線引き難しく 歴史の遺物「財産区」(5):日経

大阪府箕面市で10年ほど前、小野原地区の墓地や山林をめぐって住民訴訟〜。
財産区の土地か純粋な入会地かが争われた。
どちらも元をたどれば共有地〜入会地は私有、財産区だと公有の色合いが濃い。前者なら昔から住んでいる住民だけの財産で、後者だと新住民にも権利が生じる。
 財産区と入会地の線引きは曖昧〜。
市町村は登記簿などから判断〜地域で温度差が大きい。大阪府には660もの財産区があるのに北海道や鹿児島県はゼロ。〜
兵庫県の旧住吉村(神戸市東灘区)では一般財団法人住吉学園が財産区的な役割を果たしつつ、より手広く活動している。

コモンズ(共有地)を適切に管理できることを明らかにし、ノーベル経済学賞を受賞したオストロム氏は日本の入会から着想を得た〜

小学生がつなぐ山の財産 歴史の遺物「財産区」(4):日経

 滋賀県甲賀市の大原共有山財産区〜大原小学校の子どもたちと山を守ってきた。〜
119年続いている〜
〜学校とは別に、旧大原村の住民全員に課す賦役もある。参加できない場合は字単位で「罰金」〜
〜「山が荒れると道が荒れ河川が荒れる。財産区は続けなければ」と話す。
兵庫県立大の三俣学准教授は「環境の自治管理面だけでなく、財産区は村を離れたら区民でなくなるので所有者不明の問題も少ない」〜

240人で金融資産31億円 歴史の遺物「財産区」(2) :日本経済新聞
外湯めぐりで共存共栄 歴史の遺物「財産区」(3) :日本経済新聞