Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

相続未登記、災害復旧の壁

 〜登記の変更〜が行われなかったため〜所有者が分からなくなり、災害復旧などに支障が出るケースが全国で相次いでいる。
東日本大震災の復興事業で問題が表面化〜熊本地震でも懸念されている。

民法の規定では、〜相続で〜所有者が変わった際、所有権の移転登記をしていなければ、第三者に所有権を主張できないとされている。〜

国交省が2014年度、全国4カ所(計400サンプル)で実施した抽出調査〜、所有権移転の最後の登記が「50年以上前」の土地が約2割〜
〜価値が低いために非課税だったり、遺族が支払っていたりする場合もあり〜〜

〜道内では「道水資源の保全に関する条例」が施行された12年、道が条例を知らせる書類を地権者約4千人に郵送したが、約4割が宛先不明で戻ってきた。〜

北見市〜市に苦情が寄せられた空き家のうち数軒が、相続登記されていなかった。〜近所で聞き込みを重ね、転居先とみられる自治体に照会するなどして特定まで半年近くかかるケースもあった」〜。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0281427.html

相続登記が第三者対抗要件と言うのは間違いですが、一般の人にはわかりにくいことですね。

昨夜、亡兄が居住していた土地建物の相続登記について、弟妹3人が訪れて、相談を受けました。

兄には妻子がおらず、弟妹は、せめて自分たちの世代だけでも、亡兄の家を守ってやりたいと言う気持ちが強いのですが、
相続関係は大変複雑で、見も知らぬ人たちが沢山出てきました。
更に、その内1名は住所不明、他の1名は、相続人不存在。

あまりに困難の多いケースです。

弟妹たちは、分厚い戸籍の束と何十人も記載された相続関係図を見て、
「どうして、こんな法律になっているんだろう。」としきりに言っていました。
亡兄への強い思いがあっても、ここまでの手間、費用はかけられないと言うことになりそうです。

費用についても、これだけの手間がかかるのだから当然だと言いながら、
しかし、数千円の土地でも、同じだけの費用がかかるのなら、進んで行うわけがない、
などとも言っておられました。

いつも「相続手続は何10億の土地も数千円の土地も、同じ手続だから仕方がないんです。」
と説明してきたのですが、やっぱりこれって、一般市民には受け入れられないことですよね。

今後、相続登記推進が進めば進むほど、相続登記の費用の問題も出てくると思われます。