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株主リストの作成と住民票の職務上請求

内藤先生が、株主リスト作成のために、 住民票等の職務上請求が可能かどうかについて書いておられました。
株主リストの作成と戸籍法等の第三者請求の可否(司法書士の職務上請求用紙の利用の可否) - 司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

確かにパブコメでは、「会社が把握している氏名〜住所を記載すれば足りる〜。」とされておりますので、職務上の請求はできないと思われます。

また、内藤先生のご指摘のとおり、「今般の商業登記規則の改正の趣旨の一として,株式会社の実質的所有者情報の把握という点がある〜」
と言うことではあろうと思います。

しかし、そもそも、会社の株主管理は、株主名簿を基準にして行われるべきものであることが法定されていることを考えると、
会社は、その株主が実際に住んでいる場所や住民票上の住所を把握する義務も当然ないわけで、
会社としては、株主が届け、株主名簿に記載されている住所さえ把握して管理していれば良いのだろうと思います。

たとえ、東京に住んでいることが明らかでも、株主が実家である大阪の住所を届けていれば、
会社の法定手続上は、大阪に住所があるものとして扱うべきであり、
そこに招集通知等を発すれば良く、また、逆に知っていても、東京に送ってはいけないわけでしょうから。
(その意味で、株主名簿上の住所は、株主が自己の権利を保全するために提出した「連絡先」と言うようなものではないでしょうか?)

とすれば、株主リスト提出にあたっても、単純に「株主名簿上の住所」を記載するのが、本当のように思います。
「会社が把握している〜」と言う書き方をすると、上記で言うと、知っていれば「東京」を書かなければならなくように読めてしまいますが、
「実質的所有者情報の把握」と言う改正目的はともかく、あくまで会社に求められるのは、会社法上の義務の範囲内であるべきですので・・・・・。

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