横浜地裁:売り上げ連動契約への借地借家法適用

平成16(ワ)2128、平成17(ワ)554 賃料減額確認請求〜 
平成19年03月30日 横浜地判
要旨抜き書き

1.定額賃料と固定賃料で構成された特殊な賃料の仕組みを有する百貨店〜建物の賃貸借〜、共同事業的な側面〜共同事業〜リスクの分担という性質は賃貸借契約〜と両立し得ないものではない〜借地借家法32条第1項の適用がある〜

〜契約書の表題は、「建物賃貸借契約書」〜「建物賃貸借契約改定契約書」〜物件+使用目的、賃貸借期間、賃料、敷金、入居保証金、保守、解除原因、原状回復義務等に関する規定〜文言や内容も通常の賃貸借契約と変わらない〜基本的には〜建物を使用収益〜対価〜支払う〜賃貸借契約〜
〜したがって〜借地借家法32条1項の適用がある〜

確かに〜こと、〜こと、〜こと、こと〜等から〜駅西口開発事業の一環として本件契約が締結され、同事業を通じて原告と被告とが密接な協力関係にあったということができる〜、〜賃貸借契約としての性質以外に〜百貨店の共同事業的な側面があると考えられる。〜
しかし〜共同事業的な側面〜リスクの分担という性質は、賃貸借契約という性質と両立し得ないものではなく〜賃貸借契約としての性質が排除〜と解する〜できない。

〜被告は〜賃料減額請求権の不行使の合意が含まれており〜と主張〜。
〜32条1項は、賃料不増額の特約〜を除き〜増減請求権を行使できると規定〜強行法規〜(昭和31年05月15日〜、〜昭和56年04月20日〜)、〜排除〜できない〜

〜減額請求の当否〜相当な賃料額を判断〜、同条項本文所定の事由のほか、〜契約の当事者が賃料額決定の要素とした事情、その他諸般の事情を総合的に考慮〜(平成15年10月21日〜平成16年06月29日〜、〜平成16年11月08日〜、〜平成17年03月10日〜)。

〜本件建物の敷地の固定資産税や諸物価指数等は減少を続けている〜。しかし、本件契約〜仕組みの特殊性からすれば、固定資産税額や近傍同種の建物の賃料との関連性が薄弱〜ということができる〜これら〜直ち〜影響を与えるものではない。

〜次に〜賃料額決定の要素とした事情等〜
〜経緯〜被告が原告の百貨店事業のために本件建物を建設〜からすれば〜原告の百貨店事業とは不可分に結びついている〜。
〜原告と被告が共同出資してあえて〜別の法人を設立した事実〜や、〜等を併せ考えると〜単に賃貸借契約における賃貸人と賃借人という関係にとどまらず、原告の百貨店事業を主とする横浜駅西口開発事業を通じた密接な協力関係にある〜
〜そうすると〜純粋な賃貸借契約ではなく、賃貸借契約に〜百貨店の共同事業的な側面が付加された契約〜
〜単に〜使用収益の対価であるだけではなく〜百貨店事業の利益分配としての性質〜

(2)〜売上高に連動〜私的自治の範囲内〜有効〜
〜契約の賃料の仕組みは〜事業〜リスクを相互に分担する手段〜
〜店舗の売上高は〜32条1項〜経済事情の変動等を示す指標そのものではないが、これに結び付くファクターの一つということができる〜
〜売上高を〜基準とすること〜合理性〜

(3)もっとも〜本件特約〜結果、〜売上高が減少しても一定額よりも下回らないものとなっている。〜
 また〜原告自身、売上高の減少が続く場合があることをも当然に予測した上でこの特約を受け入れたことがうかがわれ〜
リスクを相互に分担〜手段として導入〜ことからすれば、〜売上高の減少によるリスクを原告が一定の範囲で引き受け、賃料という形で百貨店事業の利益を分配することを約したものととらえる〜できる。〜合理性〜。

(4)以上〜合理性を有している〜。〜売上高の減少〜賃料が一定額よりも下回らない状況が生じたとしても、このリスクは、原告が自ら引き受けたものとして直ちに被告に転嫁させないのが〜特約を含めた〜契約の賃料の仕組みを合意した当事者の基本的な意思〜当事者間の衡平にかなう〜

研修:「借地借家法」(山内鉄夫先生)で引用されていましたので読んでみました。
研修:「借地借家法」・引用判例等