★最高裁:債務整理事件における簡裁代理権の範囲

平成26(受)1813 損害賠償請求事件
平成28年06月27日 最一小判
裁判要旨抜き書き

 債務整理を依頼された認定司法書士〜が,裁判外の和解について代理することができない場合

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(抽出・加工あり。原文参照)

(3) 〜各取引を〜引き直して計算すると〜元本の総額は1210万円余り〜,過払金の総額は1900万円余り〜。
〜各取引の中には〜元本の額が517万円余りの債権や,過払金の額が615万円余りの債権など,貸付金元本の額or過払金の額が〜140万円を超える個別の取引が複数存在〜。

(4)〜各債権の一つであるB社〜元本〜517万円余りの債権〜は,上告人が代理して〜120回に分割〜支払う〜裁判外の和解が成立〜。〜この計画の変更により受ける経済的利益の額は,140万円を超えない〜。

〜被上告人らの論旨〜
認定司法書士が裁判外の和解について代理することができるのは,
〜対象とされた「全ての債権の総額」or「債務者ごとにみた債権の総額」が140万円を超えない場合〜
本件各取引〜全ての債権について裁判外の和解を代理〜できない〜。

最高裁

4 法は,認定司法書士の業務として
〜簡裁民訴手続〜であって,訴訟の目的の価額が裁判所法33条1項1号に定める額を超えないものについて代理すること(法3条1項6号イ),

〜民事〜紛争であって簡裁民訴手続の対象となるもののうち,紛争の目的の価額が上記の額を超えないものについて,裁判外の和解〜代理〜(同項7号)を規定〜

〜法3条1項6号イ〜は,訴訟の目的の価額が上記の額を超えない比較的少額のものについては〜弁護士に依頼することが困難な場合が少なくないことから,認定司法書士の専門性を活用して手続の適正かつ円滑な実施を図り,紛争の解決に資するため〜。

そして,一般に,民事〜紛争〜は〜裁判外の和解が行われる場合が少なくないことから〜7号は〜6号イの上記趣旨に鑑み,簡裁民訴手続の代理を認定司法書士に認めたことに付随するものとして,裁判外の和解についても〜代理〜を認めたもの〜,

〜趣旨からすると,代理〜できる民事〜紛争も,簡裁民訴手続〜と同一の範囲内のものと解すべき〜

〜また,複数の債権を対象とする債務整理の場合〜通常,債権ごとに争いの内容や解決の方法が異なる〜,最終的には個別の債権の給付を求める訴訟手続が想定されるといえる〜,裁判外の和解について認定司法書士が代理〜できる範囲は,個別の債権ごとの価額を基準として定められるべきもの〜。

〜認定司法書士が裁判外の和解について代理することができる範囲は,認定司法書士が業務を行う時点において,委任者や,受任者である認定司法書士との関係だけでなく,和解の交渉の相手方など第三者との関係でも,客観的かつ明確な基準によって決められるべきであり,

〜和解が成立した時点で初めて判明するような〜弁済計画の変更によって受ける経済的利益の額や,
債権者が必ずしも容易には認識できない,債務整理の対象となる債権総額等の基準によって決められるべきではない。

 債務整理を依頼された認定司法書士は,当該債務整理の対象となる個別の債権の価額が法3条1項7号に規定する額を超える場合には,その債権に係る裁判外の和解〜代理〜できない〜

 〜本件について〜,〜本件各債権の価額はいずれも140万円を超えるものであった〜。〜代理〜できないにもかかわらず,違法に〜行って報酬を受領したもの〜不法行為による損害賠償として〜報酬相当額の支払義務を負うというべき〜

〜他方,本件各債権以外の本件各取引に係る各債権〜は〜いずれも140万円を超えない〜上告人は〜代理することができ〜損害賠償義務を負わない〜。

最高裁、簡裁代理権の判決について - g-note(Genmai雑記帳)