Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:人身保護法による他方配偶者からの子の引渡

平成5(オ)609 人身保護
平成5年10月19日 最三小判
裁判要旨抜き書き

 夫婦の一方が他方に対し、人身保護法に基づき、共同親権に服する幼児の引渡しを請求する場合〜、〜他方の配偶者の監護につき拘束の違法性が顕著であるというためには、〜一方の配偶者の監護に比べて、子の幸福に反することが明白であることを要する。

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(抽出・加工あり。原文参照)

〜拘束者による幼児に対する監護・拘束が権限なしにされていることが顕著である(人身保護規則四条〜)ということができるためには、
右幼児が拘束者の監護の下に置かれるよりも、請求者に監護されることが子の幸福に適することが明日であることを要するもの、
いいかえれば、拘束者が右幼児を監護することが子の幸福に反することが明白であることを要する〜
(昭和42年(オ)1455同43年07月04日一小判〜)

けだし、夫婦が〜共同で親権を行使している場合には〜一方による〜監護は、親権に基づくものとして、特段の事情がない限り、適法というべきであるから、右監護・拘束が人身保護規則四条にいう顕著な違法性があるというためには、右監護が子の幸福に反することが明白であることを要する〜から〜。

〜本件〜、〜愛情、監護意欲及び居住環境の点において〜大差がなく、経済的な面では被上告人は〜幾分劣る、というのである。
〜上告人らの監護の下に置かれるよりも、被上告人に監護されることがその幸福に適することが明白であるということはできない。
換言すれば、上告人らが被拘束者らを監護することがその幸福に反することが明白であるということはできない〜
〜原審は〜単に〜三、四歳の幼児にとっては父親よりも母親の下で監護・養育されるのが適切〜ということから、本件拘束に顕著な違法性があるとしたもの〜人身保護法2条、人身保護規則4条〜を誤った違法〜。

人身保護規則
(請求の要件)

第4条 法2条の請求は、拘束or拘束に関する裁判若しくは処分がその権限なしにされor法令の定める方式若しくは手続に著しく違反していることが顕著である場合に限り〜することができる。
但し、他に救済の目的を達するのに適当な方法があるときは、その方法によつて相当の期間内に救済の目的が達せられないことが明白でなければ〜できない。

子の引渡請求は、家事調停・家事審判のほか、次のものがあるそうです。

民事訴訟による請求(監護教育権に対する妨害排除請求)
人事訴訟法に基づく仮処分(離婚に伴う子の監護処分)
③人身保護法に基づく請求