Genmai雑記帳

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通達:相続人資格の併有者による相続放棄の取り扱い

平成27年09月02日民二363号
相続人の資格を併有する者が相続の放棄をした場合の相続による所有権の移転の登記について
(抽出・加工あり。原文参照)

〜配偶者+妹としての相続人の資格を併有する者から相続〜所有権の移転の登記が申請され,〜
相続放棄申述受理証明書のほか,
配偶者として相続の放棄をしたことを確認することができる相続放棄申述書の謄本
妹としては相続の放棄をしていない旨記載された印鑑証明書付きの上申書が提供

相続人〜資格〜併有〜者の相続の放棄は,いずれの相続人の資格にも及ぶものとして取り扱う〜(昭和32年01月10日民甲61〜)〜が,昭和37年〜施行〜家事審判規則の〜改正〜規則〜による改正前の家事審判規則〜は,相続の放棄の申述書の記載事項として,「被相続人との続柄」を要求していなかったことを踏まえると,上記〜回答は,いずれの相続人の資格をもって相続の放棄をしたものかが明らかではない場合における〜取扱い〜であり,特定の〜資格をもって相続放棄をしたことが添付情報上明らかである場合とは事案を異にする〜。

〜配偶者としての相続の放棄の効果は,妹としての相続人の資格には及ぼないものとして取り扱い,〜申請を受理して差し支えないと考え〜照会します。

〜貴見のとおり取り扱って差し支えありません。

登研820(平28・6)に下記解説付で出ていました。(抽出・加工あり。原文参照)


3裁判例

いずれの裁判例も,それぞれの相続人の資格において相続の放棄をしたかどうかを判断すべきである旨判示〜。

4登記実務の取扱い

(1)登記先例 いずれの先例も,併有する相続人の資格のいずれにおいても〜放棄をしたものとして取り扱う〜
昭和32年01月10日民甲61〜、イ昭和41年02月21日民三172

②〜放棄関係書類の記載内容
相続放棄申述受理証明書には,「被相続人との続柄」の記載がない〜
相続放棄申述書に〜は,「被相続人との続柄」が〜記載事項とされている(家手規105条①(2)〜)。〜昭和37年〜改正〜追加〜家手規にも引き継がれている。〜どの相続資格で申述する意思かを明確にさせ〜ようとする趣旨〜

5検討

〜相続の放棄は,特定の相続人としての資格を放棄すること〜資格を二つ有すると考える以上,放棄し得る資格〜も二つ〜と考えるのが自然〜

〜実体法上〜放棄の効果〜放棄〜者がどの〜資格において〜放棄をする意思〜相続人の意思解釈の問題〜,〜当然に他の〜資格にも及ぶと解することはできない〜

(3)他方〜どの〜資格で〜放棄をしたのかが明らかとならない場合〜,通常〜放棄は〜債務から解放される目的でされることが多い〜から,いずれの〜資格でも〜放棄をしたものとして取り扱うのが合理的〜

〜添付情報から〜妹としては〜放棄をしていないことが明らか〜と判断〜できる〜したがって〜受理して差し支えない〜として,本回答〜

⑤なお,本回答によって,上記〜ア+イの登記先例が変更されたわけではなく〜添付情報から〜どの〜資格で相続の放棄をしたのかが明らかとならない場合には〜いずれの資格においても相続の放棄をしたものとして取り扱うことになる〜