高松高裁:施設を特別縁故者として認めた例

平成26(ラ)92 特別縁故者に対する相続財産分与申立却下審判に対する即時抗告事件
平成26年09月05日 高松高決
要旨抜き書き

被相続人が〜特別介護施設において献身的な介護を受け、これによりほぼ満足できる生活状況を維持することができていたものと認められる場合、同施設を運営する一般財団法人は、被相続人の療養看護に努めた者として〜特別の縁故があった者」に当たる。

(3)〜首から下の全身に麻痺〜施設〜は〜入所〜から〜死亡〜まで約6年にわたり、ほぼ毎日〜日常生活においては、食事や洗顔等については自助具を使った半介助を、移動や更衣、排尿・排便などについては、摘便を含む、全面的な介助〜ほか、〜病院に通院する際には補助や介助〜、また、時には〜近郊のショッピングセンターに買い物に連れ出したり施設内で行われるレクリエーションに参加させたりもした。〜職員に身体のマッサージなど独自の介護を求めたり、無理な注文をしたり、意のままにならないと暴言を吐いたりしたことが多々あったが、〜職員らは、献身的に粘り強く被相続人の介護又は介助に当たり〜被相続人もほぼ満足できる生活状況であった。

〜平成20年〜実母が死亡〜被相続人の依頼を受け同人に代わって、入所先の特別養護老人ホームに連絡を取って実母の葬儀等の手配〜、相続財産である貯金を被相続人が相続するための手続をした。

被相続人の財産から費用を支出して、被相続人の葬儀を執り行い、遺骨を〜寺院に納めて永代供養の手続をとった。
〜抗告人は〜相続財産管理人の選任を申し立て〜
〜抗告人は〜分与が認められた場合には、内規に従い、寄附金収入として、福利増進事業に使用する予定〜

〜本件管理人は〜約6年にわたって介護〜葬儀や納骨手続をしたこと〜分与〜により〜財産を有効・適切な使途に充てることが期待できる〜、〜被相続人の意思に沿うと推認できるとして〜異議がない〜意見書を提出〜。
〜療養看護に努めた者として、民法958条の3項〜特別の縁故があった者」に当たる〜

〜入居中に月額16万円又は25万〜円の施設利用料を支払った〜これは、先に認定したとおり厚労省が入居者の年間収入額等に応じて定めたものであって、実際の介護サービス等の程度や内容等を反映して定められた報酬であるとは認められない。

また、仮に結果的に施設利用料が介護サービス等に対する報酬として正当な額であり、両者間に対価関係が認められるとしても、それだけで前記の特別縁故者に当たらないと判断するのは相当ではない。
〜長年〜手厚い看護を受けてきたなどの事情が認められるのであるから〜特別縁故者〜と認めるのが相当〜。

介護施設が特別縁故者となる可能性(高齢者住宅新聞8/3・10号掲載) | いいねを押したい弁護士ブログで知りました。(感謝)