Genmai雑記帳

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遺産分割事件の実務(調停時報2016.7-判タ2016.1)

調停時報2016.7に、次の記事が出ておりました。
「遺産分割事件の実務〜遺産分割事件の法的枠組みを理解するために(1)」
東京家裁 山城司裁判官)

 東京家裁家事5部の運用について、同家裁裁判官と総括主任書記官が、判例タイムズ1418(2016.1)に執筆した内容に基づいて講義したものだとのことです。

この裁判所の運用方法は全国的な運用の基準のようになっており、前にも遺産分割・判例タイムズ1373号・1376号(2) - g-note(Genmai雑記帳)でも取り上げましたが、遺産分割調停は、論点も多く、複雑であり、改めて読んでみると、大変、勉強になりました。


2.遺産分割事件における当事者主義的運用
3.遺産分割とは

〜相続財産〜について〜共有関係を解消し、各相続人の単独所有または物権法上の共有関係にすること。

5.段階的モデル
①遺産分割調停の進め方チャート図)(→参考

(1)相続人の範囲
(2)遺産の範囲
(3)遺産の評価
(4)各相続人の取得額
(5)遺産の分割方法

8.中間的合意調書:〜各段階における合意の調書化〜
12.遺産の範囲(調停・審判で扱う要件)(下記ツール②を利用)

(1)被相続人が相続開始時に所有し、
(2)現在も存在する、
(3)未分割の、
(4)積極財産

13.預貯金:〜特別な異議が出てこない限り〜遺産〜に入れている〜(大法廷判決の予定)
14.相続債務:審判に移行した場合、一切取り扱わない。 
15.葬儀費用
16.調停と審判:当然移行。特別受益、特別寄与についての心証開示による促進。
17.保険金:(→参考1)〜。但し、満期返戻金〜
19.使途不明金(下記ツール③を利用)(→参考
22.評価の基準時点
28.特別受益の立証責任(下記ツール④を利用)

同裁判所では「ツール」として、次のような図表を準備しているとのことです。

②遺産分割調停・審判で扱うことができる遺産等
③預貯金の払戻しが問題となった場合の進め方
特別受益Q&A