Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

空き家と相続放棄

 〜一方、相続放棄されたケースでは〜管理者が出てくるまでの間、相続人の管理責任は残る。
 〜相続放棄された物件が、特定空家に認定された場合は、相続人に対しては指導・助言、勧告まではできるが、それ以上の措置はできない。そこで〜略式代執行になるが、この場合も公費投入になる。相続放棄は、今後ますます増えていくと予想される。
相続放棄された物件が、特定空家に認定された場合は、相続人に対しては指導・助言、勧告まではできるが、それ以上の措置はできない | ビジネスジャーナル

今年3月、借金もあるようでしたが、空き家の問題もあって相続放棄をした方がおられ、
下記の規定の話しをして、どうしてもと言うわけではないが、お考え頂くようにお願いしておりましたところ、相続財産管理人の選任申立をすることとなり、先日、やっと選任されました。

民法

(相続の放棄をした者による管理)
第940条 相続の放棄をした者は〜放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって〜財産の管理を継続しなければならない。

昔と違って、相続放棄案件は少なくありません。

今年になってからの案件を考えてみると、
同じく3月、相続登記の依頼を受けたところ、他の兄弟全員は、父の故郷の土地やら何やらから開放されるため、他県で全員相続放棄するとのことで、その処理を待って、処理しました。

また、先日、突然、関西の金融機関から相続債務の請求が来たと言うことから兄弟全員が相続放棄をしました。
今月には、借金については、差程、確実な心配がある訳ではないが、いろいろな事情も考えて相続放棄を選択された家族がいました。

一方で、わが町の一人暮らしの方が亡くなったので、親戚筋の依頼で、姪に当たる相続人に、空き家などの対応をお願いする電話をしてみた所、市役所の指導で相続放棄したとのことでした。(固定資産税の請求があった時、そのような「示唆」があったとか・・・・・)

そして現在、経営者の突然の死亡に対処して会社を建て直す目的で、子供全員、兄弟全員の相続放棄をする案件の書類作成を受任する予定です。
ほかにも、相続放棄を意図されながら、来所された日が、既に放棄期間を経過した例もありました。
このところの案件ではもう1つ、何か相続放棄がらみの件があったように思います。


相続放棄を行うと、借金の有無に関わらず、空き家の管理者を無くしてしまうことになる場合が少なくありません。
上記のような管理義務があることは、少なくとも一応は、お伝えしなければいけないと思います。

また、一方で、相続放棄は相続人の権利であり、これだけ相続放棄が一般化してくる中では、司法書士は、単に相続登記を受任する場合も含めて、必ずこの制度の選択もあり得ることを示唆すべきであり、しかも実務的に、正確な知識の元に情報を与えなければならないと思います。

相続放棄自体は、一般的には、差程、困難な業務でない場合が多い一方で、その効果は絶大であり、聞きかじりの相続関係やら債務関係の情報を元にやってしまうと、思わぬ結果を生むこともあり得ます。(実際、かつて大変、恐ろしい結果になりかけて、大変苦しんだことがあります。)

日数の限られた中で、的確な対応ができるよう、常日頃、相続放棄の実務的な知識を蓄えておく必要がありますね。

実家の相続放棄、急増 空き家に拍車 - g-note(Genmai雑記帳)
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