招集通知に記載された選任取締役の数

平成10(オ)919 株主総会決議取消請求事件
平成10年11月26日 最一小判
要旨抜き書き

1〜累積投票〜を排除していない株式会社において、取締役選任を議案とする〜総会の招集通知に「取締役全員任期満了につき改選の件」と記載され、〜選任〜取締役の数〜が明示されてない場合〜特段の事情がない限り〜従前〜と同数の取締役を改選する旨の記載〜と解することができる。

2また、本件株主総会で取締役の候補者が従前の取締役数よりも一名少ないまま付議された場合においても、株主から累積投票の請求がなく、その不一致が株主に格別の不利益を及ぼすものでない場合には〜招集通知が不適法であると〜はできない。

原審

 定款〜累積投票の請求を排除していない〜会社においては、取締役選任を議案とする〜招集通知に選任〜取締役の数を明示しなければならない
〜本件招集通知には「取締役全員任期満了につき改選の件」と記載されているのみで〜数が明示されているとはいえない。

最高裁

1 定款〜累積投票の請求を排除していない〜会社において、取締役選任を議案とする〜招集通知に「取締役全員任期満了につき改選の件」と記載され〜選任される取締役の数に関する記載がない場合〜特段の事情のない限り〜従前〜と同数の取締役を選任する旨の記載があると解することができる〜本件〜数の記載がある〜ということができる。

2 本件〜通知には、従前〜と同数である6名の取締役を選任する旨の記載があるということになるところ、本件〜総会においては、取締役の候補者として5名のみが付議され〜数が〜招集通知の記載よりも1名少ないこととなるけれども、本件においては〜累積投票の請求がなく、また、その不一致は株主に格別の不利益を及ぼすものではないから〜招集通知が不適法〜ということはできない。


 定款で累積投票を排除していない会社においては、招集通知に選任予定の員数を記載しなければならない、とするのが判例・多数説とされているようですが、

この判例について、金子大先生は古い論説(→これ)の中で、「どう考えても『〜全員が任期満了になったので、新たに〜選任する必要がある。』と言っているだけで、『取締役6名選任の件』とは明らかに相違〜」と書いておられました。

 そもそも「確定員数を記載せよとする多数説・判例自体に問題があるように思います。」とも書いておられました。
(あまりに古い論説(平成12年)ですので現在のお考えは不明ですが・・・・。こんなに古いものを持ち出して金子先生、ごめんなさい。)