代表取締役死亡の処理・「株主総会の実務」(月報:立花宏先生)・(9)動議が出た場合

株主総会の実務」(立花宏司法書士の続きです。(→こちらをごらん下さい。)

(大幅な抽出・加工あり。原文参照。また、記事タイトルの「№」や「表題名」は、勝手ながら記事の整理のために変更しております。下記本文内の№は立花先生の記事の№です。)

10.動議が出た場合の対応
取締役会設置会社における招集通知と動議の可否。

1.招集通知に「取締役1名選任の件」とあり、提案された議案は甲の選任を求めている場合、乙を選任すること(動議)は許されるか→許される。(反対説もある。)

2.招集通知に「〜1名選任の件」とあるとき、2名を選任すること(動議)は許されるか→許されない。

3.招集通知に「取締役甲選任の件」とあるとき、乙を選任すること(動議)は許されるか→許されない。

動議あるときの代理人の権限

白紙委任状の場合→代理人の判断で議決権を行使できる。

賛否を記載する形式の委任状に賛否の記入がない場合→白紙委任状と解されている。

賛否の記載はあるが、動議が出た場合の記載がない場合→動議についても議決権を行使できると解されている。

取締役会を設置していない会社の場合

招集通知に上記3の記載ある場合→通知の記載に拘束されずに決議(動議提出)できる。

 〈以下、この記事や引用先などについて私なりに確認したりした内容〉

(株主提案権)
第304条 株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項(〜)につき議案を提出〜できる。ただし
〜議案が法令or定款に違反する場合or
実質的に同一の議案につき〜総会において総株主(〜)の議決権の10分の1(〜定款〜割合)以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合は、この限りでない。

株主総会の決議)
第309条⑤ 取締役会設置会社においては、株主総会は、第298条①(2)に掲げる事項以外の事項については、決議〜できない。ただし〜

1については、金子先生は、「議論がある。」としながら、最終的な結果としては「両説も肯定」と書いておられます。(金子「事例で学ぶ〜P166)
2については、証券業界なども同じ見解と言う話もありましたが、登記先例には次のものがあります。

招集通知書記載の員数を越える監査役選任決議の効力(昭和37年05月25日民四89登研176号〔解説付〕)
〜招集通知書に記載した員数を超えて監査役を選任した株主総会の決議は、員数に関する定款の規定に反しない限り有効〜。

 金子先生の下記の「平成12年の論文」によれば、法務省の人が、この先例は取締役にも当てはまると言っており、平成3年の東京高判以後も、登記実務においては、これを許容していたらしく思われます。(現在でもたぶん。)

 金子先生は、同論文では、「判例の流れから〜員数増を違法とされる可能性がありますので、実務上は、招集通知に員数を記載しない方が無難です。」「(東京高判は、)員数を記載しないことをも違法としていますが〜判例の主流には至っておりません。」と書いておられますが、何しろ古い論文で、当時の状況下でのご意見ですので、現在のご意見は不明です。
(なお、累積投票を排除していない会社については、最高裁判例あり→これ

Ⅲについて、金子先生は、非取締役会設置会社においては、株主総会は『万能の決議機関』と表現しておられます。(金子前掲p161)

議事のタイトル(テーマ、主題)は、「議題」か「議案」か?
→本来は議題だが、慣例的に「議案」と言っている。議案とは「決議案」(会社提案、株主提案)。(金子・事例で学ぶ〜p165〜p166)

 この「議題と議案」について、金子先生は、「平成12年の論文」の中では、まさにこのことを主題の1つとして検討しておられます。
 立花先生は、注記の中で、「金子〜前掲p165〜166〜詳細な解説がある」と書いておられますが、金子先生にとっては、これは分かりやすい「要約」と言った方が良く、上記論文は、量から言っても、質から言っても、正に「詳細」と言って良く、今回、改めて「斜め読み」してみましたが、未だ完全な理解に至っておりません。

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