株主リストの「合計不一致」・登研H28.9解説

 NSRに、法務省書式により株主リストを作成したところ、「%の合計が合わない。」として補正になったと言う話題がありました。nsr会員の方は「ここ」をクリックしてnsrにログインしてごらん下さい。)

 各株主の議決権の%表示を小数点以下2桁などで四捨五入すると、表示上、それらの数字の合計が合計欄の数字と合わないことがある、と言うことのようです。

1.法務省書式による必要があるか?

 ・「記載例」に過ぎず、規則上、必要とされる記載があれば書式こだわる必要はありません。(→これとかこれ

2.「総議決権数」、「議決権数の合計」、「議決権数の割合の合計」を記載する必要があるか?

 ・これらは規則上、必要とされている記載事項ではないので、書かないと言う選択もありです。(これとかこれ

3.「株主の有する議決権割合」はどのように書くべきか?

 ・「%表示」せよとは書いてありません。(分数表示でも、〇割〇分〇厘でも良いと思います。)

4.「%表示」する場合の少数処理はどのようにするか?

 ・これについても規定はないと思います。福岡書式は、「(%,小数点以下第2位を四捨五入し,小数点以下第1位まで)」と記載しておりますし、法務省書式のエクセル版もそのようになっているようですが、これも例に過ぎないと思います。)

 ・なんなら小数点以下12位ぐらい書いても良いと思いますが、それでも合計が合わないことはありえますよね。(たとえば、全員分なのに、表示上の合計は「99.9%」になってしまう場合とか。)

 単に、表示の問題であり、登記官も、記載された株式数などから、電卓で叩けば直ちに判明することですので、補正はおかしいですよね。(後日、上記案件も問題なく完了したとのことでした。)
 また、上記nsr上では、日司連のQ&Aのp7にある記載例でも表示上の合計数があってない、と言うことを紹介された方もおられました。

 もともと、決算書の記載や、建設業許可関係の記載などは、ほとんど「切り捨て」で表示しており、表示上の合計が合わないのが当然として扱っていますので、当初から、たとえば「小数点〇位以下切り捨て表示」、などと示してくれれば良かったのですけどね。

5.全員を記載してはいけないか?

 ・「いずれか少ない人数の株主の〜を証する書面を添付しなければならない。」とあり、他の書面等であっても、規則上の内容が分かれば良いとされていることからしますと、10名以上でも3分の2以上でも、条件さえ満たしている書面であれば良いと思います。

 ・特に私の事務所の場合、319条による総会省略を行うことが多く、全株主の同意を確認する便宜もあって、従前から、同時に「株主名簿」を作成してしまうようなことが多かったため、全員を記載する方が楽です。(この場合は、「株主全員の同意が必要とされる場合」と同じことになるので、「株主の有する議決権割合」は書かなくても良いようなものですが、規則上は書かざるを得ませんね。)


 ま、しかし、実際に作成する時には気になる所で、たちまち、表示上の合計が100%にならないケースに当たってしまいましたので、法務局に電話で聞いてみました。
 応対してくれた登記官は、「なんでそんなことを聞くの?」と言う感じで、当然のように「合計を100%と書いておけば。」と言ってくれました。(やはり、我が管轄の登記官さんたちは、本質がわかる方たちですね。)


登研H28.9に株主リストなどの解説が出ていましたので確認してみました。

 割合の記載を百分率で記載する場合には,小数点以下第2位以下程度を四捨五入しても差し支えないものと考えられる。

〜もっとも,申請人等の便宜等の観点から〜書式例が,法務省のホ−ムページに公開されている〜。
同書式例には〜総議決権数,〜株主の議決権数の合計及び〜株主の議決権数の合計の総議決権数に占める割合を記載する欄が設けられている。
これは〜3分に2〜という要件を満たしているかどうか等を申請人及び登記官において速やかに確認できるようにするために設けられたものと考えられる。〜

☆株主リスト関係の索引 - g-note(Genmai雑記帳)