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最高裁(新):仮差押の本執行あった場合の法定地上権

平成27(受)477 損害賠償等,境界確定等請求事件
平成28年12月01日 最一小判
裁判要旨抜き書き

 〜建物〜仮差押えが本執行に移行して強制競売〜がされた場合に〜仮差押え〜時点で土地+建物の所有者が同一であったときは,差押えの時点で土地が第三者に譲渡されていたとしても,法定地上権が成立〜

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(抽出・加工あり。原文参照)

(1) Aは〜838番6〜,〜838番8の土地〜+これらの土地上にある〜建物〜を所有〜
(2)〜建物+838番8〜につき,平成14年5月23日,仮差押〜
(3)〜平成19年〜838番6の土地を被上告人に贈与〜。
(4) 〜建物+838番8〜につき,平成20年〜強制競売手続の開始決定〜差押〜強制競売〜は〜仮差押えが本執行に移行してされたもの〜
上告人は〜競売〜売却により〜建物+838番8の土地を買い受け〜。平成21年〜建物,838番8〜+838番6の土地を占有〜

〜被上告人が〜上告人に対し,所有権に基づき〜土地の一部〜の明渡し+〜占有〜開始した平成21年〜から〜明渡し済みまでの賃料相当損害金の支払を求める〜事案〜
〜仮差押〜時点で〜建物と〜敷地の一部である838番6の土地が同一の所有者に属していたことによって〜法定地上権が成立するか否かが争〜

原審

 〜建物〜仮差押〜,〜本執行に移行〜強制競売〜売却により買受人が〜所有権を取得した場合に〜,
土地+建物が〜仮差押〜時点で同一の所有者に属していたとしても,その後に土地が第三者に譲渡された結果〜差押〜時点では〜同一の所有者に属していなかったときは,法定地上権〜成立〜と解する〜できない。
〜そのようなときは,土地の譲渡の際に〜土地の使用権を設定することが可能〜,また,土地+建物が同一の所有者に属する場合に〜差押えがあり,その売却により所有者を異にするに至ったときに〜成立を認める民執法81条の明文に反するから〜

最高裁

(1)〜建物に仮差押えがされ〜後,〜本執行に移行してされた強制競売〜売却により買受人が〜所有権を取得した場合〜,土地+建物が〜仮差押えの時点で同一の所有者に属していたときは,〜後に土地が第三者に譲渡された結果〜差押え〜時点で〜土地+建物が同一の所有者に属していなかったとしても,法定地上権が成立〜

民執法81条法定地上権の制度は,土地+建物が同一の所有者に属する場合〜土地〜使用権〜設定〜が法律上不可能であるので,強制競売〜により〜所有者を異にするに至ったときに〜建物〜所有者のために地上権が設定されたものとみなすことにより〜建物の収去を余儀なくされる〜社会経済上の損失を防止しようとするもの

〜建物の仮差押え〜時点で土地+建物が同一の所有者に属していた場合も〜仮差押えの時点では土地の使用権を設定することができず,
〜後に土地が第三者に譲渡されたときにも〜土地〜使用権が設定されるとは限らない〜
〜この場合に〜本執行に移行してされた強制競売〜により買受人が取得した〜建物につき法定地上権を成立させるものとすることは〜建物〜収去による社会経済上の損失を防止しようとする民執法81条の趣旨に沿う〜

〜また,この場合に〜建物〜仮差押えをした債権者は〜建物の存続を前提に仮差押えをしたものであるから〜建物につき法定地上権が成立しないとすれば,不測の損害を被る〜,相当ではない〜

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