Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

住所移転の本籍地通知ミスによる失踪宣告→相続除外

〈読売新聞(YOMIURI ONLINE)〉
 西東京市に転居した男性が、市側の手続きミスで失踪者とされたうえ、母親の遺産を受け取れなかったなど〜市に約1200万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が6日、東京地裁立川支部〜であった。〜
 〜訴状などによると〜2001年に住民票の異動を届け出た。しかし、同市は〜戸籍がある小平市に〜通知しなかったため〜戸籍の付票に反映されなかったという。
〜06年に男性の母親が死亡。〜付票に〜住所〜記載されていなかったため、その後、失踪宣告〜。そのため母親の遺産を相続できず、損害を被ったとしている。
〜市側は「〜通知はしていた」と反論〜。
http://www.yomiuri.co.jp/local/tokyotama/news/20161206-OYTNT50177.html

不明者の年齢その他の事情からして、その人の生存の可能性があると思われる場合、
当然、手続の選択は慎重にならざるを得ません。

むしろ、不在者の財産管理人の選任を求める方法の方が無難ではありますが、

〇この場合、最終住所地でない管轄に申し立てると、裁判所としても、財産調査や見つかった財産の管理のことを考え、自庁処理には消極的にならざるを得ません。
 →最終住所地での管理人選任(専門職)を考える必要が出てきます。
〇不在者の財産管理人については、スポット運用と言う考え方がないようです。
 →専門職としては、財産調査を省略することが許されておりません。
〇不在者が債務を負っていた場合、財産管理人の行った行為は「処分行為」と見られ、
 →あとで相続となっても相続放棄ができなくなると言う、恐ろしい判例があります。
〇遺産分割の場合、不在者の財産管理人は、必ずその法定相続分を確保します。
 →依頼者の意向に沿わない場合があります。
 →不在者が分配を受けた財産の管理のため、財産管理人が永年に亙って預金管理などをすることになる場合が想定されます。(現在もやっています。)
 →7年の経過を待って、再度、失踪宣告による最終処理を覚悟しておく必要があります。

 などと考えると、失踪宣告の方が選択しやすくなるのですが・・・・・
 家裁は、交通違反を含めた犯歴の調査などを含め、旧住所地に電話したり、いろいろしてくれているようですが・・・・・

なお、上記の市側の反論については、本日の記事にもある、通知書の保存期間のことが気になりますね。