Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

地方と都会・日本人の移動、「地域カースト」

〈現代ビジネス〉
〜近年、大学進学のため、また大学卒業後に就職のために地方を出る人びとはかならずしも減っていないのに対し、進学や就職のため県外に出る高卒者や専門学校卒の人びとは減少〜

〜つまり移動が階層化されている〜。学歴、そしておそらく特別の資産やコネをもたない者は、地方を出づらい傾向〜。
〜「移動できる者」と「できない者」の二極化が、地方では進んでいる。近年、国境さえ超える社会的な移動が活発〜、移動の拡大には、あくまで学歴的、資産的な偏りが大きい〜

〜そのせいで地方社会の風通しが悪くなっている〜。〜「社会的な強者」がいち早く抜けていく地方で、なお留まる人びとには、これまで以上に地元の人間関係やしきたりを大切にすることが迫られる。〜地方を出る可能性が低いとすれば、それらを何よりの資源としてサバイバルしていかなければならないため〜。
〜結果として〜「地域カースト」的とでも呼べる上下関係〜。移動の機会の減少は、それまでの人間関係を変え、ちがう自分になる可能性を奪う。
〜子供のころからの関係がたびたび持ちだされ、補強されていく〜、〜はてに飲み屋や「まちづくり」の場などで大きな顔をするのはいつも一定の集団〜になり、そうではない人は地元でこっそり暮らすという分断が、地方社会で強められている〜

①現代の「上京」が過去に比べ独自の困難を背負っているという現実〜
②置き去りにされた地方の生きがたさ〜。

〜県内、または地方の中核都市へと向かう近距離の移動は実はかならずしも減っていない〜。
〜大都市を目指さず、しかし生まれた場所に留まることで生じるしがらみを地方間の移動によって回避する動きが、現在一定数選択され始めていること〜。

〜どこか別の場所に移住することがいっそうむずかしくなる結果、生まれや学校や交友関係によって決められた「カースト」をぬけ出し、ちがう自分になる可能性が、大都市からも、地方からも奪われている〜。
貞包英之(山形大学准教授)
日本人が「移動」しなくなっているのはナゼ? 地方で不気味な「格差」が拡大中(貞包 英之) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)