Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

東京高裁:「相続分なきことの証明書」

昭和58年(ネ)1709、昭和58年(ネ)1730 土地所有権移転登記手続請求控訴事件
昭和59年09月25日 東京高判
判示事項抜き書き

〜他の〜相続人らから自己には相続分が存在しない旨の相続分不存在証明書+印鑑〜証明書が〜交付されている場合に、遅くとも右書面が交付された時点で、右共同相続人の1人が遺産を全部取得する旨の分割協議が成立したものと認めるのが相当〜事例

(抽出・加工あり。原文参照)

〜亡〜の主要な財産は本件遺産であり〜これにより農業を営んでいた〜、〜零細な農家にあつては農地が細分化されたのでは農業が成り立たないため、特段の事情のない限り、長男が単独で農地を相続するのが通例であつたこと〜、

また第一審原告は早くから鉄道会社に勤務〜農地〜の取得を希望はしなかつたものと考えられること〜、

〜世間並のことをしてほしい旨申し入れていたのも、遺産の分割の協議の申し入れというよりは〜の単独相続を是認したうえで分家として相応の財産分与を要求したにすぎないものとも解されないではないこと〜(この要求は〜一家を構えるについて財産の贈与を求めることであつて〜遺産分割の協議を求めることとは〜性質を異にする〜)に照らすと、第一審被告ら主張のような〜遺産の全部を取得させる遺産分割の協議が成立した可能性もあながち否定〜できないところであるが〜認めるだけの確証はない。

〜しかしながら〜遅くとも、第一審被告〜に対し、第一審原告〜らが、自己には〜相続分が存在しない旨の相続分不存在証明書〜を交付した〜ころまでに〜単独相続〜の分割協議が〜成立し〜たものと認めるのが相当〜(「相続分不存在証明書」は、遺産分割協議の結果〜〜が取得したことの登記の手続上〜協議書の提出に代え、これを用いたものと解される。)。