Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

「弁護士業に自由競争は本当に正しいのか?」坂野真一

(弁護士坂野真一先生のご意見)
裁判数も人口も減少〜、どんどん資格を与えて弁護士を増加させ、競争させればよいとの声は相変わらず大きい。〜〜無責任だと私は考える。
〜自由競争というからには〜選択する側に、弁護士の仕事の質が良いか否かを判断するだけの能力が必要〜。
〜競争をさせるなら、最低限、その仕事の良し悪しが分かる能力がユーザーに求められる〜。

〜殆ど意味のない最高裁判例をいくつも引用し、ページ数だけはやたらと多いが、実質的に有効な法的主張は殆ど無い〜ことがある。〜1枚当たり幾らの請求〜と推察〜、依頼者はそうは思っていないだろう。〜〜ユーザーが判断することは極めて困難〜。

〜判断できない〜から〜競争させたとしても、良い仕事をする弁護士が生き残るとは限らない。
〜要するに利益を上げられない者は退場しろ〜。極論〜、〜質はともかく〜とにかく依頼者を集め、うまく利益を上げた者が生き残る〜
〜良い仕事をする弁護士が生き残るのではなく、むしろ宣伝上手な弁護士や、本来話し合いで済む問題を訴訟等にまで持ち込んでフィーを上手にとっていく弁護士が生き残る可能性の方が、遥かに高い〜

司法制度改革審議会〜出席〜藤倉教授〜によると、アメリカでの弁護士選びは〜。
「〜お金持ち、あるいは大企業は選び放題〜一番いいのを選ぶことができる〜。〜」
 この結果を見れば、一体誰のための自由競争論だったのか、すぐに分かろう。

〜自由競争の前提としての弁護士資格の濫発〜大きな弊害を産む。

〜例えば、ある弁護士が〜能力が低い〜と市場で判断され、淘汰されるとしても〜判断されるまでには、〜弁護ミスなどの被害が相当多く出る必要がある。〜運が悪かったで済ませて良いのだろうか。〜一生に一度の大事件という場合も多い〜。
〜また〜弁護士は〜儲けを最優先に考える必要にせまられていく危険〜。〜儲かる仕事に〜集中する。良い仕事をのためではなく、儲けるために工夫する必要が出てくる。
〜さらに〜不適格弁護士が淘汰されても、それを上回る勢いで実力不足の弁護士(淘汰〜予備軍〜)も大量に追加されてくる〜
弁護士業に自由競争は本当に正しいのか? - ウィン綜合法律事務所 弁護士坂野真一の公式ブログ

実におっしゃるとおりと思います。

そう言えば、先日、ある調停で、目次付きの小論文みたいな意見書を見ました。10〜20ページはあり、しっかり「法的主張」を「理論的」に書いておられたのですが、
実際のところ、必要な内容は1〜2ページ分と思われ、直接当事者の話しを聞けば、「全部読みとばして」も支障ないようなものでした。

残念ながら、この書面は、広島市司法書士に依頼して作成してもらったと言うことでした。もちろん、当の当事者は、その「理論的な内容」をほとんど理解していませんでした。

これって、上記のケースとは少し違うと思われます。
1枚いくらの報酬を高くするためではなく、おそらくは、実務を知らない中で、「一生懸命やりました。」と言うところではないでしょうか?

そう言う意味では、「悪気」はないのでしょうが、上記の論説を読んでから考えると、「司法書士」の関わり方と言うことについて、少し考えさせられました。

そう言えば、100時間研修が終わった頃、研修で「時系列表」を習ったもんで、全く無意味に詳細な時系列表を何ページにも亙って作っていた同職もいましたね。