Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:使用借権の時効取得の要件

昭和47(オ)1191 家屋収去土地明渡請求
昭和48年04月13日 最二小判
裁判要旨抜き書き

 土地〜使用貸借の〜の時効取得〜は〜継続的な使用収益という外形的事実〜、〜使用収益が〜借主としての権利〜行使〜意思に基づくものであることが客観的に表現〜必要〜

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・原文
(抽出・加工あり。原文参照)

土地〜使用貸借上の借主の権利の時効取得が成立するためには、
土地の継続的な使用収益という外形的事実が存在し、かつ、
その使用収益が土地の借主としての権利の行使の意思に基づくものであることが客観的に表現されていることを必要とする〜

〜上告人が、本件建物につき所有権保存登記を経由した日より以前に、本件土地につき、自己の権利の行使として右要件をみたすような使用収益をしていたものと解することはできず〜時効取得の主張を排斥〜原判決〜正当〜

有効な使用貸借関係が死亡により終了した後、相続人が占有を承継したケースのようです。

民法

(借主の死亡による使用貸借の終了)
第599条 使用貸借は、借主の死亡によって〜効力を失う。

(特約で排除可。)

権利濫用などによって借人を救済している事例とか、下級審では、上記を踏まえた上で要件を緩やかに解釈して時効取得を認めたものもあるようですね。(東京高判昭61.5.28。大阪高判平20.8.29。)

民法改正案においても、配偶者について特則を設ける流れのようです。