最高裁(新):私道の相続税評価

平成28(行ヒ)169 相続税更正+加算税賦課決定取消請求事件
平成29年02月28日 最三小判
裁判要旨抜き書き

私道の用に供されている宅地の相続税〜評価における減額の要否+程度の判断〜

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(抽出・加工あり。原文参照)

〜「本件各歩道状空地」〜と〜市道との間には,若干の段差があるものの,特に出入りを遮るものはなく,外観上,車道脇の歩道として本件各共同住宅の居住者等以外の第三者も利用することが可能な状態〜
いずれも〜近隣の小学校の通学路として指定され,児童らが通学に利用している。

(1) 相続税法22条は〜相続〜財産の価額は〜取得の時における時価〜〜時価とは〜客観的交換価値〜
〜私道の用に供されている宅地については,それが第三者の通行の用に供され,所有者が〜自由に使用,収益or処分を〜制約が存在することにより〜客観的交換価値が低下する場合〜制約のない宅地と比較して〜減額されるべき〜ということができる。

そうすると〜減額されるべき場合を,建築基準法等の法令によって建築制限や私道の変更等の制限などの制約が課されている場合に限定する理由はなく

〜そのような宅地の相続税に係る財産の評価における減額の要否+程度は,私道としての利用に関する建築基準法等の法令上の制約の有無のみならず〜宅地の位置関係,形状等や道路としての利用状況,これらを踏まえた道路以外の用途への転用の難易等に照らし〜客観的交換価値に低下が認められるか否か,また,その低下がどの程度かを考慮して決定する必要がある〜

(2)〜本件各歩道状空地は,車道に沿って幅員2mの歩道として〜舗装〜いずれも相応の面積〜本件各共同住宅の居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されている〜
〜また,本件各歩道状空地は〜建築する際,都市計画法所定の開発行為の許可を受けるために,市の指導要綱等を踏まえた行政指導によって私道の用に供されるに至ったもの〜本件各共同住宅が存在する限りにおいて〜道路以外の用途へ転用〜容易〜とは認め難い。〜

〜これらの事情に照らせば,本件〜建築のための開発行為が被相続人による選択の結果であるとしても,このことから直ちに本件各歩道状空地について減額して評価〜必要がないということはできない。