最高裁:将来債権を含む債権の譲渡担保の対抗要件

平成12(受)194 供託金還付請求権確認請求事件
平成13年11月22日 最一小判
裁判要旨抜き書き

 甲が乙に対する金銭債務の担保として,甲の丙に対する「既に生じor将来生ずべき債権」を一括して乙に譲渡〜,〜いわゆる集合債権〜譲渡担保〜,〜第三者〜対抗〜は,指名債権譲渡の対抗要件の方法によることができる。

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(抽出・加工あり。原文参照)

(1)「〜D〜は,上告人と」〜平成9年3月〜「E〜が上告人に〜負担する一切の債務」の担保として,次の〜債権〜を上告人に譲渡する〜債権譲渡担保設定契約〜を締結〜
 ア 債権者  D
 イ 債務者 〜F〜
 ウ 債権〜

  (ア)平成9年3月〜日現在有する商品売掛代金債権+商品販売受託手数料債権,
  (イ)同日から1年の間に取得する商品売掛代金債権+商品販売受託手数料債権

(2)〜約定の担保権実行の事由が生じ〜上告人が〜Fに〜実行〜通知をするまでは,Dが〜Fから〜弁済を受けることができる〜。
(3)Dは,Fに対し,平成9年6月〜確定日付〜内容証明郵便をもって,債権譲渡担保設定通知〜。
(4)平成10年3月〜Dが手形不渡り〜,Eは〜期限の利益を喪失〜担保権実行の事由が発生〜。上告人は,Fに〜書面をもって〜実行〜通知〜。〜確定日付はない。

(5)被上告人国は,平成10年4月〜+同月〜付けの差押通知書をFに送達〜,〜商品売掛代金債権+商品販売受託手数料債権〜について,Dに対する滞納処分による差押え〜
(6)Fは,平成10年5月〜,〜債権者〜確知〜できないことを理由に〜供託〜。
(7)Dは,平成10年6月〜破産宣告〜被上告人Bはその破産管財人

原審

(1)本件通知には,DがFに対する債権につき上告人のために譲渡担保権を設定したとの記載があるが〜上告人からの別途の通知があった場合には上告人に弁済することを求めるとの記載もある〜
〜本件通知は,将来の別途の通知があるまでは,FはDに弁済すれば足りることを意味し,それまでの間は,担保権の目的物を消滅させることが認められている。
〜したがって,当面は担保権設定による制約を受けない旨通知されていることになる。

〜本件通知は〜上告人に債権が移転したことを通知〜と認めることはできず,債務者が同通知により債権の帰属に変動〜と認識することを期待することはできない。
〜本件通知には,第三者対抗要件としての通知の効力を認めることはできない。

最高裁

(1)甲が乙に対する金銭債務の担保として,発生原因となる取引の種類,発生期間等で特定される甲の丙に対する既に生じor将来生ずべき債権を一括して乙に譲渡することとし,
〜乙が丙に対し担保権実行として取立ての通知をするまでは,譲渡債権の取立てを甲に許諾し,甲が取り立てた金銭について乙への引渡しを要しないこと〜
とした〜債権譲渡契約は,いわゆる集合債権を対象とした譲渡担保契約〜〜。

この場合〜既に生じor将来生ずべき債権は,甲から乙に確定的に譲渡されており,ただ〜甲に取立権限を付与〜〜の合意が付加されている〜

上記債権譲渡について第三者対抗要件を具備するためには,指名債権譲渡の対抗要件467条②)の方法によることができる〜,その際に,丙に対し,甲に付与された取立権限の行使への協力を依頼したとしても,第三者対抗要件の効果を妨げるものではない。

本件契約は,

Dが,Eの上告人に対する債務の担保として,上告人に対し,Fとの間の継続的取引契約に基づく本件目的債権を一括して確定的に譲渡する旨の契約であり,譲渡の対象となる債権の特定に欠けるところはない。

そして,本件通知中の「Dは,同社がFに対して有する本件目的債権につき,上告人を権利者とする譲渡担保権を設定したので,民法467条に基づいて通知する。」旨の記載は,DがFに対し,担保として本件目的債権を上告人に譲渡したことをいうものであることが明らか〜本件目的債権譲渡の第三者対抗要件としての通知の記載として欠けるところはない〜

〜本件通知には,上記記載に加えて,「上告人からFに対して譲渡担保権実行通知〜がされた場合には,この債権に対する弁済を上告人にされたい。」旨の記載があるが,この記載は,上告人が,自己に属する債権についてDに取立権限を付与したことから,Fに対し,別途の通知がされるまではDに支払うよう依頼するとの趣旨を包含するものと解すべき〜,この記載があることによって,債権が上告人に移転した旨の通知と認めることができないとすることは失当〜