大審院:債権譲渡の承諾の相手方

大正6(オ)484 預金及貸金請求ノ件
大正6年10月02日 大審院判決
要旨抜き書き

〜467条①〜承諾〜債権譲渡の事実を承認すること〜同条の債権譲渡の対抗要件を具備〜は、債務者が譲渡の事実を「譲渡人or譲受人」に対して承認〜をもって足りる。
〜468条は、債権譲渡の事実について債務者が異議を留めずに承認をしたときは〜債務の承認に等しい効果を生じさせる趣旨〜。

(抽出・加工あり。原文参照)

467條①〜所謂承諾とは債權讓渡の事實を承認するの義にして同條に定むる債權讓渡の對抗要件を具備する爲めには債務者か讓渡の事實を讓渡人or讓受人に對して承認するを以て足れりとする法意〜

〜蓋

 同條〜に於て債務者の承諾を以て讓渡人の債務者に對する通知と等しく債權讓渡の對抗要件と爲したるは畢竟「債務者か債權讓渡の事實を了知すること」を明確にするを主眼〜之に依りて債務者其他の第三者か〜不測の損害を防かんか爲めに外ならす〜
債權讓渡の事實に付き債務者か讓渡の當事者中の何れに對して承認を爲すも其事實を了知すること明確〜不測の損害を被むる虞なきこと〜讓渡人か其事實を債務者に通知する場合と異なることなけれはなり〜

〜468條①〜は債務者か異議を留めすして前條の承諾を爲したるときは讓渡人に對抗する〜を得へかりし事由あるも之を以て讓受人に對抗〜得す云云とあるに由て〜
之を觀れは其承諾は前條に定むる承諾の場合の中殊に債務者か讓受人に對して承認を爲したる場合を謂へるものにして〜
即ち同條は債權讓渡の事實に付き債務者か「讓受人に對し」異議を留めすして承認を爲したるときは〜債務の承認に等しき效果を生せしむる趣旨を以て特に規定〜
〜前條に定むる債權讓渡の對抗要件としては所謂債務者の承諾は前に説示したるか如く債權讓渡の事實を讓渡人に對して承認するもor讓受人に對して承認するも共に其要件を充たすに足る〜