★最高裁(新):認定司法書士による140万円超過の和解の効力

平成28(受)1463 過払金返還請求事件
平成29年07月24日 最一小判
判示事項

 〜認定司法書士和解契約〜締結〜が弁護士法72条に違反する場合〜,〜和解契約は〜内容+締結に至る経緯等に照らし,公序良俗違反の性質を帯びるに至るような特段の事情がない限り,無効とはならない

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(抽出・加工あり。原文参照)

被上告人 Aの破産管財人
上告人 貸金業者
上告補助参加人 認定司法書士

(2) Aは〜補助参加人と〜債務整理〜委任契約〜
〜補助参加人は〜締結の際〜過払金〜額が140万円を超える場合〜代理〜できない〜説明〜
(3) 〜履歴の開示〜を受け〜計算〜約330万円の過払金〜,補助参加人は代理人〜できないこと等を説明〜
〜しかし,Aは〜補助参加人に委任〜を希望〜返還請求権等について和解〜を含む委任契約〜締結〜
(4) 補助参加人は〜請求書を送付〜上告人は,〜191万円〜支払う〜和解案〜
〜200万円を〜4月中に返還〜であれば和解に応ずる旨のAの意向が上告人に伝えられ〜上告人は〜和解〜する旨の連絡〜
〜Aは〜約330万円の〜請求〜できること等を理解していたが,訴訟〜の負担等を考慮〜,〜200万円〜の和解をすることとした。
補助参加人〜Aを代理して〜上告人がAに〜200万円を支払うこと+それ以外に〜債権債務がないこと〜〜裁判外の和解契約〜を締結〜200万円を支払った。〜弁護士法72条に違反〜であった。
(5) Aは,平成28年〜破産〜〜被上告人が破産管財人に選任〜

原審

補助参加人が代理人として〜和解契約を締結〜公益規定である弁護士法72条に違反〜補助参加人とAとの間の〜委任契約は無効〜
和解契約も,そのような委任契約に基づいて締結されたという点において,無効〜
〜過払金の返還請求権等は消滅しておらず,上告人は〜被上告人に〜過払金等を支払うべき〜。

最高裁

弁護士法72条は,弁護士〜でない者が,報酬を得る目的で法律事件に関して代理や和解等の法律事務を取り扱うことを業と〜できない旨を定めている〜
〜認定司法書士が,報酬を得る目的で業として司法書士法3条1項7号に規定する額である140万円を超える過払金の返還請求権〜裁判外の和解をすることについての委任契約〜締結〜は,弁護士法72条に違反〜,〜委任契約は,民法90条に照らして無効〜(〜昭和37年(オ)1460・同38年06月13日一小判〜)。

 〜委任契約を締結した認定司法書士が委任者を代理して裁判外の和解契約を締結することも,弁護士法72条〜違反〜であるが〜和解契約の効力については,委任契約の効力とは別に,同条の趣旨を達するために〜無効とする必要性があるか否か等を考慮して判断されるべきもの〜

弁護士法72条の趣旨は,弁護士の資格のない者が,自らの利益のため,みだりに他人の法律事件に介入することを業とすることを放置するときは,当事者その他の関係人らの利益を損ね,法律事務に係る社会生活の公正かつ円滑な営みを妨げ,ひいては法律秩序を害することになるので,かかる行為を禁止するもの〜(昭和44年(あ)1124同46年07月14日大法廷〜),〜処罰の対象とする(同法77条(3))ことによって〜実効性を保障〜とされている。

〜認定司法書士による裁判外の和解契約の締結が同条〜違反〜場合〜,司法書士の品位を害するものとして,司法書士法2条違反を理由とする懲戒の対象になる(同法47条)上,弁護士法72条〜違反〜委任契約は上記のとおり無効〜と解されるから,当該認定司法書士は〜報酬を得ることもできない〜。

このような〜実効性を保障する規律等に照らすと,認定司法書士による〜違反〜行為を禁止するために〜締結した裁判外の和解契約の効力まで否定する必要はない〜
和解契約の当事者の利益保護の見地からも〜和解契約の内容+締結に至る経緯等に特に問題となる事情がないのであれば〜和解契約の効力を否定する必要はなく,かえって,〜違反する〜から直ちに〜和解契約の効力を否定するとすれば,紛争が解決〜と理解している当事者の利益を害するおそれ〜〜

〜認定司法書士が委任者を代理して裁判外の和解契約を締結することが同条に違反する場合であっても〜和解契約は〜内容+締結に至る経緯等に照らし,公序良俗違反の性質を帯びるに至るような特段の事情がない限り,無効とはならない〜

〜本件についてみると〜

〜約330万円の過払金等について〜200万円を支払うことにより紛争を解決するというもの〜,〜締結に至る経緯をみても,補助参加人は〜過払金の額を説明し,Aの理解を得た上で,Aの意向に沿った内容の〜和解契約を締結したという〜特段の事情はうかがわれず〜和解契約を無効ということはできない。