最高裁:土地の一部を譲渡した場合の通行権、一部を賃貸している場合の通行権

昭和43(オ)1275 工作物撤去等請求
昭和44年11月13日 最一小判
裁判要旨

二、公道に面する一筆の土地の所有者が~公道に面しない部分を他に賃貸し ~残余地を自ら使用している場合~、所有者と賃借人との間において通行に関する別段の特約をしていなかつたときでも~賃貸借契約に基づく~義務の一内容として~残余地を~賃貸借契約の目的に応じて通行させる義務があり~その賃借地に~210条①は適用されない。

 所有者が土地の一部を譲渡して公路に通じない土地を生じさせた場合、分筆買受前の残余の士地についてのみ囲繞地通行権を有する

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・全文
(以下、抽出・加工あり。原文参照)

~甲地~と~乙地~は、現在訴外Dバス~会社所有の土地であるが、他人の所有する土地に囲繞されて公路に接しない土地であること、
甲地、乙地はいずれも、訴外E~所有~公道に通ずる~c番のfの土地から分割されたものであること、
すなわち、訴外Eは~右訴外会社に甲地、乙地を売却するにあたつて、c番のfの土地からまず甲地と同番のgの土地とを分筆し、さらに同番のgから乙地を分筆して、それぞれ訴外会社に売却したもの~。

~甲地、乙地は、いずれも~所有者がその土地の一部を譲渡して公路に通じない土地を生じさせた場合にあたる~213条②~により、訴外会社は~分筆買受前一筆であつた残余の士地についてのみ囲繞地通行権を有する~
~また上告人A1会社は、かりに訴外会社から甲地、乙地を借り受け使用していたとしても、右残余の土地について囲繞地通行権を主張するのならばともかく~(一)、同(二)、同(三)の各土地について囲繞地通行権を認める余地はなく、~上告人の請求を排斥した原審~正当~。

所論は、甲地、乙地が訴外会社に売却される以前に、すでに分筆されていたというが、一筆の土地が分筆されても、同一人の所有に属する間は袋地を生ずるわけではなく、分筆された一部が他の所有者に帰属するなどして、囲繞地の所有者と異なることによつてはじめて袋地となるのである

ところで、

公道に面する一筆の土地の所有者が、その土地のうち公道に面しない部分を他に賃貸し~残余地を自ら使用している場合~、所有者と賃借人との間において通行に関する別段の特約をしていなかつたときでも、所有者は、賃借人に対し賃貸借契約に基づく賃貸義務の一内容として、右残余地を当該賃貸借契約の目的に応じて通行させる義務があり、したがつて、その賃借地は袋地とはいえない。
~丙地、丁地は袋地とはいえないから、上告人A2が、被上告人~所有~(一)(二)~につき囲繞地通行権を有しない~