神戸地判:袋地通行権の無償性の特定承継2(積極)

平成14(ワ)1385 償金請求
平成15年1月14日 神戸地判
判示事項の要旨

~213条による無償通行権は、特定承継人に適用される。償金を支払う義務はない~。

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(以下、抽出・加工あり。原文参照)
1 争いのない事実等

(1)~「本件2土地」~は,昭和41年~,~d番eの土地から一部譲渡のため分筆されて生じた土地~(〔~正確には~その後,昭和50年~d番gの土地が合筆され,現在の地積となった。〕)であり,かつ~上記一部譲渡による分筆によって,公路に通じない袋地となった~
(2) 被告の子~A,B+Cの3名は,平成5年~相続により本件2土地の所有権を取得~,被告は~3名から同土地を借用して~「被告建物」~を所有している。
(3) 被告は~建物~居住者+本件2土地の一部を駐車場とする自家用自動車の公路への通路として本件1土地を使用~,~公路までの通行のために必要~囲繞地にとって最も損害が少ない方法~,被告は,本件1土地につき囲繞地通行権を有している。
(4) 原告は,平成12年~売買~本件1土地の所有権を取得~。

第3 争点に対する判断

 ~被告が有する本件1土地上の囲繞地通行権は,土地の一部譲渡によって生じたものであって,213条②,①ただし書きにより,無償の通行権~

~原告は~213条~は,土地の分割orは譲渡の当事者が任意に袋地を作った場合~周辺に迷惑をかけないで,内部で処理~が当然であるという趣旨~であるから,その適用は,土地の分割or譲渡の当事者間のみに限定され,特定承継人には適用されない~と主張~。

しかし,

民法の相隣関係に関する規定は,土地の利用の調整を目的とするものであって,対人的な関係を定めたものではなく~213条の~囲繞地通行権も,袋地に付着した物権的権利で,土地の分割者の他の所有地or一部の譲渡人若しくは譲受人の所有地(~「残余地」~)自体に課せられた物権的負担~であるから,同条~囲繞地通行権は,残余地について特定承継が生じた場合にも消滅するものではない~平成2年11月20日最三小判~)。

~213条の適用は土地の分割orは譲渡の当事者間のみに限定され~特定承継人には適用されないとする原告の主張は採用できず,~原告は,本件1土地を買い受けたことにより,本件1土地に付着した同条の無償通行権負担を承継したもの~,被告には,原告に対して償金を支払う義務はない~。